せっかくエッセイ的なブログにしようと思ってたんですが、
今回はレポート的なブログに変更です。
駅前で見た大道芸がスゴかった。
芸はとびきりビックリするようなことはしてないんですよ。
それなのに、200人ぐらい集まってるんです。
アコギの弾き語りとかだとせいぜい5人ぐらいですよね。
それが200人ってスゴくないですか!
どうやって人を集めてるのか興味があったんで、
次やるまで1時間以上待って確認してきました。
場所は、中野駅の駅前広場。
政治演説とか、弾き語りとかをよくやってる場所ですが、
普通は何かイベントをやっていても誰も足を止めません。
そんな中、まずはダンサブルな音楽に合わせた
ロボットダンスで大道芸は始まりました。
音楽はBGM程度の心地よい音量です。
そうすると、遠くから音が聞こえるなか人が踊ってるんで、
「何やってんだろう?」と多少は人の足が止まり始めます。
それでも約7~10m離れた遠巻きにせいぜい10人ぐらい。
みんな暇つぶしに見ているぐらいです。
次に大道芸人さんは自分と客との間、約5mの位置にマーカーコーンを置き、
「通路で立ち止まって見ていると通行の邪魔になるから」と
広場の方にお客さんを近づかせました。
5mぐらいの距離だと気兼ねなく立ち去れる距離です。
しかも通行人の邪魔になっては迷惑なんでみんな近づいていきます。
そうすると放射状に点々と見ていた人達が集まってくるので、
周りからみていると『面白そうだから近づいていく』様な雰囲気になるんです。
次に大道芸人さんは、水晶玉を使ったボールハンドリングを始めました。
さっきまでやっていたロボットダンスに比べ手元での芸になるので、
遠くから見ると何をやっているのかが分かりません。
そうすると周りの人達は、見えにくいからとりあえず近づいてみようと
マーカーコーン近くまで寄ってきます。
この時には、マーカーコーンの周りがほぼ埋まり、30人ぐらいに増えました。
次はカバンからおもちゃの犬を取り出し、その犬が飛んで輪っかをくぐるという、
ライオンの火の輪くぐりのような芸を座ってやりはじめました。
うまく犬が輪っかをくぐると、大道芸人さんはお客さんに拍手を促します。
道行く人達からすると、人垣の奥、
しかも座って芸をしているのでまったく見えません。
けど、そこからは拍手の音だけが聞こえてくるんです。
当然、何をしているのか興味が沸くのでさらに人が集まってきます。
この時点で60〜70人は集まっていたと思います。
こうなってくると大道芸人さんを取り囲む輪は、2列、3列となってきます。
その後も子供向けの風船芸などで家族を巻き込んだり、
手元のリモコンで芸に合わせた音楽をうまく流したりして
現場の雰囲気を盛り上げていきます。
ここまで来ると、人が人を呼びはじめ、加速度的に人が増え始めます。
そしてわずか10分足らずで、200人の人垣が完成しました。
ここで最後の芸が始まります。
実はこれまでの芸はすべて前ふりで、
最後にやるパントマイムを見て欲しかったんだそうです。
普通に自分のやりたい芸だけやっても人は寄ってこない。
だから、人を集める術を考え、計算され尽くした上で人を集める。
その為に、自分が興味が無い芸を5個も6個も覚え、
その上で最後のパントマイムを見せてるんです。
スゴイですよね。どんだけ努力してんだ!って話ですよ。
もしかしたら大道芸業界の中ではこの集客方法はセオリーなのかもしれません。
けど人に見てもらいたいって欲求を実現するために、
相当な努力と苦労と工夫を重ね、集客方法を編み出しているんです。
本当は芸自体に感動するのが正しいんでしょうけど、
努力の裏側に触れることができた感動の方が僕的には大きかったです。
芸に対して努力することはもちろん、集客方法まで考えて努力する。
ホント尊敬します。
ちなみにこの大道芸人さん名前を「ゆうじ」って言ってました。
オペラ座の怪人みたいなマスクをして、切なく物悲しいパントマイムでした。
(検索してみたけどどの人か分かりませんでした。)
追伸
こうゆう努力の仕方って、自分の仕事でも何か生かせそうですね。
感謝料はちゃんとお札で支払いましたw
大道芸人ゆうじさんですね♪
素晴らしいパフォーマーさんです★