ツイッターノミクスを読んでみて、いろいろと新しい発見があったのでご紹介。
タイトルに「ツイッター」とついているからといって、Twitterの本ではありません。
どっちかというとWEBを使って、ユーザーと良質な関係をどうやって構築するかの本でした。
◆ こんな本でした。
この本で重要なポイントとして、まずは『ウッフィー』について書かれています。
『ウッフィー』って何かというと
それは、ウェブの世界では「お金」より
はるかに価値のある「通貨」である。
それは与えることによって増えていく。
貢献することによってたまっていく。
だそうです。
現実世界でもそうかもしれませんが、
親切にしてくれる方や、味方になってくれる方、誠意を持った方など、
貢献してくれる人というのは、大事にされます。
つまり、WEB上で、人様に貢献した度合いと『ウッフィー』と呼び、
『ウッフィー』は貨幣のような価値をもつもので、
『ウッフィー』を貯めることで、現実世界にも効果が跳ね返ってくる。
ということだそうです。
「現実世界にも効果が跳ね返ってくる。」
というのは、中々理解しにくい所ですが、
この本ではその事例がたくさん載ってました。
例えば、パソコンメーカーのDELLが、
業績が落ち込んでいる中で、ブログを立ち上げ、
ユーザーの不満に一つ一つ対応していくことで業界No.1に返り咲いたとか。
小さなワインメーカーがPodcastを利用して、
ユーザーとコミュニケーションを図り、
後にリアルなコミュニティができたり、業績が右肩上がりになったとか。
ここまでで分かるのは、
・やっぱりWEBって大事だよね~。
・WEB上でのコミュニケーションってとらなきゃね~。
・こんなの一部の企業だけでしょ。
・ウッフィーなんて妄想だよ。
とか、こんな意見だと思います。
市場とコミュニケーションをとらないといけないことは分かりますが、
そんなの、どのマーケティングの本を読んでも
当たり前のように書かれています。
当たっているような気がしますが、
実際に本腰いれてやらないと効果は見えてこないんでしょうね。
◆ 広告を生業とするものとして。
この本の帯にはこんなことが書かれていました。
広告はもういらない!
B2B、B2CからC2Cへ!!
広告をつくっている僕としては、CtoCになったら、おまんま食い上げですw
半分笑えません。
たしかにブログで情報発信すれば、こと足りますし、
Twitterや、ソーシャルメディアを活用した方が、
たくさんの人に見てもらえます。
プロがつくったほうが、絶対に良いものができる。
のは当然ですが、時代が本当にCtoCなら、
そこにマッチしたものを作っていく必要があるんじゃないか、
というのを出発点としてちょっと考えてみました。
まず、CtoCにおける広告って何??
ってことですが、
広告の向こう側にパーソナリティを感じられる。
事が重要なんじゃないかと最近思っています。
企業は個が集まった集団です。
そこには必ず人がいます。
DELLの事例にしても、ワインメーカーの事例にしても、
ユーザーは対応してくれる人にパーソナリティを感じていたはずです。
企業じゃなくて人というのがポイントです。
そういう、ユーザーがコミュニケーションを取りたくなるパーソナリティを、
広告物で表現するのが重要なのかも・・・。
素人でもブログを立ち上げたりテンプレートを使ってそれなりのものはできます。
けど、ありものだとそこからは限られたパーソナリティしか伝わらないんじゃないでしょうか。
そして、プロはプロで、
ビジュアルで表現したり、コピーワークで表現したり、構成で表現したり。。。
商品や団体のパーソナリティを伝えるということは何なのかを、今一度、掘り下げて考えてもいいかもしれません。
僕、こんな容姿で、こんなしゃべり方で、こんな奴なんだけど、よかったら僕と友達になってくれませんか?
みんながかまってくれないと、僕はいなくなっちゃうから、できるだけ僕という商品を伝えるし、みんなの意見も聞くから僕と付き合ってよ。
こんな感じでもいいんじゃないかとw。
もちろん、ちょっとやり手の、「俺様についてこいよ!」という広告だったり、
無粋だけど自分のことをブツブツいっている広告があってもいいと思いますが、
できるだけ、ユーザーとコミュニケーションを取ろうとしている広告の方が人気がでるんじゃないでしょうか。
そして、たくさんの友達と会話をしたいからこそ、
広告が必要だったり、システムが必要だったりする気がします。
こんな当たり前のことを、ツイッターノミクスを読んで
もう一度考え直したくなりました。
広告が溢れ返っている中で、僕たちができることは、
CtoCしやすい土壌をプロが作る。
そして、広告がユーザーと同じ立ち位置に立って、
企業が『ウッフィー』を貯める手伝いをする。
最近そんなことを思っています。
ま~、本当に何が良いかはその時々だと思いますが、
改めて表現って深く考える必要があるなっと。
追伸:
「コミュニケーション」という言葉を使いましたが、何もブログのコメント機能とかTwitterとかじゃなくて、“問い合わせる”とか、“購入する”とか、“商品のファンになる”、ということも含めています。